起業家ロングインタビュー

第1回 コンセプトボックス代表 山岡 匡(2)

コミュニケーションは、わかりやすくなければならないんです

写真と文: 大村 幸男(おおむら ゆきお)

何も知らずに飛び込んだパソコン業界

大学の卒論のテーマは「アメリカ現代哲学」。数学は苦手、文系一筋。しかしなぜだか就職は地元のパソコン屋(エレクトリックパーツ高知)に。大学卒業して就職したのがWindows95が発売された年だった。「パソコンの大波が押し寄せて来ていたので、素人でもなんとか営業できました」。物売りの基礎は、当時の二人の部長からみっちり仕込まれた

「知識がクリックで次々と関連づけられる」という衝撃

「96年頃、高知にもインターネットが敷かれました。「知識がクリックで関連づけられる」という単純だけど、今までにないインターフェイスに感動しました」。また、誰でもがホームページというものを作り公開できることに創作意欲をかき立てられたと言う。

インターネットの世界に魅了されながらも、山岡は、退職し大学院に進む。「知識のインフラが整いつつありました。でも自分にはその容れ物に入れる物がない。もっとかしこくなりたかったんです」。

高知缶詰(株)

■ コンセプトボックスの制作事例 ■

高知缶詰株式会社 様

高知市鴨部の食品加工メーカー・高知缶詰株式会社のCIウェブサイト。栗甘露煮生産では全国有数の企業で、全国からの問い合わせを受け付けている。通販サイトではないが、ネット広告やSEO/LPOなど販促的な手法にチャレンジし、問い合わせ・成約を伸ばしている。
http://www.kochi-kanzume.com

コミュニケーションは「わかりやすく」なければならない。

生活のために始めた学校の講師や家庭教師で、彼はコミュニケーションの難しさに改めて気づかされる。「独りよがりでは何も伝えることができないんです。伝わらなければ何も起こらない。授業もインターネットも同じです」。山岡のウェブ制作には、その頃から培っている「コミュニケーションはわかりやすくなければならない」というBGMが流れている。

ウェブ制作がメインになった今でも、講師の仕事は続けている。担当科目は情報処理をはじめ、哲学、倫理学、論理学、論文の書き方・・・。「今でも毎時間緊張します。枕でスベらないかどうかって・・・。わかりやすく伝えるコツは、しゃべる順番を間違えないことです!」

企業のページは顧客との自由なコミュニケーションの場

企業のホームページはその企業の顧客との自由なコミュニケーションの場。経営学的には重要な「ブランド接点」である。

コミュニケーションであるからには一方通行ではあり得ない。「会社側が知らせたいことと、訪問者の知りたいことは、得てして異なることが多いです。その溝を埋めるのも僕の仕事です」。

企業と訪問者のニーズの違いは、ホームページの場合、数字でわかる。たとえば、がんばって作ったおすすめページは誰も読まない、意外なページがよく読まれているということが「ページ滞在時間」を測ることによってわかるのだ。そこで「なぜ」「どうすれば」と考え始める。

ホームページの運営は「科学的な努力」の積み重ね

「ホームページは公開して終わりでありません。そこからがスタート。見てくれている人がどう感じているか、それをくみ取ってページを改善していかなければなりません」。「アクセス解析を読むことで訪問者の動きがつかめます。それに応じて思いを巡らせ、ページを改善していくことは「科学的な努力」であり、その積み重ねです」。

「科学」と「努力」。インターネットは、機械的なものと人間的なものが入り乱れている世界のようだ。山岡はその水先案内人の一人である。

(了)